第6回フォルテピアノ・アカデミー

登場するフォルテピアノたち

第6回フォルテピアノ・アカデミー SACLAには総計11台の鍵盤楽器が集います。レッスンの行われるリハーサルルームには、ヴァルター、ジルバーマン、スクエアピアノ。レクリエーションルームにヴァルターとクリストーフォリ。クラヴィコードの部屋として用意されるスタジオ1には、クラヴィコードが2台。4部屋用意される練習用スタジオには、タンゲンテンフリューゲル、シュタイン、クラヴィコード、クラヴィコードが配置されます。

アカデミー・レッスン受講生はこれらの楽器でレッスンを受け、練習ができます(時間に制限があります)。聴講をお申し込みの方には〈体験ワークショプ〉を用意しています!またプレコンサートには2台のヴァルター、クリストーフォリ、ジルバーマン、クラヴィコードとタンゲンテンフリューゲルが登場します。

下記紹介している10台に加えて原クラヴィーア工房から新作クラヴィコードが参加する予定です。

B.クリストーフォリ

Bartolomeo Cristofori(1726年の復元楽器 久保田 彰製作)

ピアノの発明者クリストーフォリのピアノ。ハンマーで弦を打つ新楽器はGlavicembalo col piano e forte(弱音と強音をもつチェンバロ)と名付けられ、長い名前が短縮されて「フォルテピアノ」「ピアノ」という呼称になった。タッチによって強弱の変化や多彩な表現が可能となったクリストーフォリの発明は、現代のピアノへと継承されている基本的構造が多数。18世紀初頭のイタリアの作品は、クリストーフォリの音色によってその真価が輝く。

G.ジルバーマン

Gottfried Silbermann 1746年製(1746年 Freibergの復元楽器 久保田 彰製作2020年)F1~f3

G.ジルバーマンはザクセン地方におけるオルガンづくりの名工でした。イタリアのクリストーフォリの発明を元にフォルテピアノの製作を始め、J.S.バッハからこの進取の楽器についての意見を仰ぎます。バッハは1747年にポツダムのフリードリヒ大王に謁見した際、改良されたジルバーマンのフォルテピアノを気に入り即興演奏をしています。

タンゲンテンフリューゲル

Tangentenflügel(Ch.G.Schröter考案のアクションによる復元楽器 久保田彰製作)G1~e3

タンゲンテンフリューゲルの発音の仕組みは、キーの後方の加速レバーにのった木片を飛ばして弦を打ち、自然落下させるというシンプルなもの。タッチによって強弱もつけられ美しい音色が魅力。モーツァルトがザルツブルク時代に弾いていたことでも知られる。


クラヴィコード

Cristian Gottlob Hubert(1770年代製の復元楽器 深町 研太製作)F1~f3

キーの後端についているタンジェント(真鍮片)が弦をたたいて音を出し、キーを押している間は弦を押し上げたままになるので、ヴィブラート(ベーブング)をかけることができる。絶対音量は小さいが、表現力の豊かな楽器。繊細なニュアンスを生む良いタッチ習得にも最適。

クラヴィコード

J.H.Silbermann(1775年製の復元楽器 太田垣 至製作)

キーの後端についているタンジェント(真鍮片)が弦をたたいて音を出し、キーを押している間は弦を押し上げたままになるので、ヴィブラート(ベーブング)をかけることができる。絶対音量は小さいが、表現力の豊かな楽器。繊細なニュアンスを生む良いタッチ習得にも最適。

クラヴィコード

Cristian Gottlob Hubert(1784年製の復元楽器 原クラヴィーア工房製作)AA-e3

キーの後端についているタンジェント(真鍮片)が弦をたたいて音を出し、キーを押している間は弦を押し上げたままになるので、ヴィブラート(ベーブング)をかけることができる。絶対音量は小さいが、表現力の豊かな楽器。繊細なニュアンスを生む良いタッチ習得にも最適。


J.A.シュタイン

Johann Andreas Stein (ca.1788年製の復元楽器 ツッカーマン - 新井千笑製作)F1~f3

ウィーン式(跳ね上げ式)アクションのフォルテピアノ。

モーツァルトに支持されたフォルテピアノ。膝レバーによるダンパー解放装置と、弦とハンマーの間に薄い布を挟み込み音色を変化させるモデラート(手動)が付いている。ハンマーヘッドは2~4層の鹿革で、鉄弦と真鍮弦(低音域)が木製のケースに弱い張力で張られている。軽いタッチ、明快な発音、倍音の豊かな音色が魅力。

A.ヴァルター

Anton Walter(1795年製の復元楽器 C.マーネ製作)F1~g3

ウィーン式(跳ね上げ式)アクションのフォルテピアノ

ウィーン古典派の作曲家モーツァルトやベートーヴェンに支持されたフォルテピアノ。膝レバーによるダンパー解放装置と、弦とハンマーの間に薄い布を挟み込み音色を変化させるモデラートが付いている。ハンマーヘッドは鹿革で、鉄弦と真鍮弦(低音域)が木製のケースに弱い張力で張られている。軽いタッチ、明快な発音、倍音の豊かな音色が魅力。   

A.ヴァルター

Anton Walter(1795年製の復元楽器 太田垣 至製作)F1~g3

ウィーン式(跳ね上げ式)アクションのフォルテピアノ

ウィーン古典派の作曲家モーツァルトやベートーヴェンに支持されたフォルテピアノ。膝レバーによるダンパー解放装置と、弦とハンマーの間に薄い布を挟み込み音色を変化させるモデラートが付いている。ハンマーヘッドは鹿革で、鉄弦と真鍮弦(低音域)が木製のケースに弱い張力で張られている。軽いタッチ、明快な発音、倍音の豊かな音色が魅力。   


J.ブロードウッド

J.Broadwood & sons 製作のスクエア・ピアノ1814年製 (太田垣 至 修復 2012年)F1~c4

イギリスを代表する製作家。ハイドン、ベートーヴェン、クレメンティ、ショパンなどに愛用された。スクエアピアノは19世紀初頭のフォルテピアノ普及に大きく貢献。